キミ時間
休憩中とか?
それとも部活無くなったのかな?
優衣は少し隠れるようにして、教室の扉の窓から中を見た。
咲久ちゃんも壱也に気づいたみたいで、中に入ろうとはしない。
「それにしても、優衣里のやつ」
え、優衣の話!?
中にいる一人が、優衣の名前を出してきた。
「アイツ、マヂで壱也のこと好きだったんだな」
ケラケラと高笑いする声。
なんで、そんな話を?
「アハハ、でも言われてみれば、壱也にはわりと話しかけてたよな」
「あ~羨ましいな~!!」
「たしかに。あんな可愛い子他にいないし」
なんでだか、心臓がバクバクする。
手にはうっすらと冷や汗。
人がいないところでそんな話。
男の子達の話は、しだいにエスカレートしていき、耳を塞ぎたくなった。
壱也はヘラヘラしてるだけで、止めようとしない。
「アイツら!!」
「やめて、咲久ちゃん…」
今にでも教室に入ろうしている咲久ちゃんを押さえた。
もう、やめて…。