キミ時間
で、あたしの行きたいところ、プラネタリウムについたのはいいんだけど、いいんだけど、いつこの手を離せばいいのかが分からない。
自分で繋いでおいて…。
少し湿ったあたしの手のひら。
先輩は、そんなことまるでお構いなしにズンズン進んでいく。
「ん?どしたの」
「あ、えぇっと…
そう言えば、先輩の好きな人って、どんな人なんですか?」
「え………?」
あぁ、あたしってばなんて馬鹿なこと言ってんだろう。
こんなこと聞いて、傷をえぐってるだけじゃん。
少し沈黙が続く館内。
もともと人が少ないからか、よけいに静かに感じる。
「…少し、似てるんだ」
「えっ!?」
「咲久にね、少しだけ似てるんだ」
あたしに…似てる?
だから、あたしなの?
だから、優しくしてくれたの?
なにも言わず、ただまっすぐと先輩を見た。