キミ時間




「星、綺麗だったね」

「はい。」


プラネタリウムを見終わり、あたしたちは駅までのみちをゆっくりと歩いていた。


星の話ばかり。


本当に星が好きなんだな。



「先輩、もう一度聞きます!!

 本当に告白しないんですか?」



夕焼けに染まる空を見ている先輩に問いかけた。


空からあたしに移った視線。


「うん、それもありかなって…咲久を見てたら思い始めてきた」


ドキン…


高鳴る心臓は、あたしの頬を染めた。

だけどたぶん、夕日のせいで気づいてない。


だって、いつも通りニコニコ笑ってる。


つられてあたしも笑った。


「まぁ、言ったところで…あの男に勝てないだろうね

 なんたって、幼馴染みの想い人はリスクをおかしても付き合ってるからさ…」


「リスク?」


「そう。

 さっきの彼氏さ、アイツの通う高校の先生なんだって」


えぇぇえっっ!!

と、叫びそうなのを喉に留めて、あたしは目を見開いた。


たしかに、さっき先生って呼んでたかも。


「そんな相手に叶うわけないんだよね~」


おかしそうに笑う先輩は、なんだかいつもの苦しい感じじゃなかった。









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