キミ時間


「あれ?違った?」


う~ん、と頭を抱える優衣里。


好きな人なんているはずがない。


だって、一応先輩と付き合ってるわけだし。



それにあたし、自分から好きになったことないし。


「いないよ、好きな人なんて…」


――ピピッ


その時、鞄に入っていた携帯が音をたてた。


「あ………」


メールの送り主は、雪先輩。


「…だあれ?」


「え、あ、雪先輩。

 啓矢の…友達」


携帯とあたしを交互に見ながら優衣里はニヤニヤとしている。


「違うから。」


雪先輩はそうゆうんじゃない。


彼はあくまで、彼氏の友達。


だから、ありえない。






< 16 / 164 >

この作品をシェア

pagetop