キミ時間


「…あのさ、葵?」

「あ、ごめん!!もしかして、こうゆうのは男が言いたいとか??」

「え、」


なんなんだよ?

どうしたんだ、葵は。


俺は、多しかに栞奈のことでは頭の回転は早いけど、他のことではからっきし。

このときの俺は、葵が何を言ってるのか分からない。




「てことで、よろしくお願いします!!」


「………あの、」


――ガラッ


「おーい、お前ら今日はこっちを頼みたいんだが」


タイミング悪く担任が入ってきた。

葵はなんだか嬉しそうで、担任のあとを今にでもスキップし始めそうな勢いでついていく。


なんなんだよーー!!

俺は頭を抱えながら、トボトボと後を追う。





この葵とのことを知ったのは、次の日のこと。





「お前、葵ちゃんと付き合い始めたんだって!?」


朝、珍しく雑用を免除になった俺は葵に会うことなく教室にはいった。

そんな俺を待ってましたかというように数人の男子が群がる。







< 161 / 164 >

この作品をシェア

pagetop