キミ時間
「…あのさ、葵?」
「あ、ごめん!!もしかして、こうゆうのは男が言いたいとか??」
「え、」
なんなんだよ?
どうしたんだ、葵は。
俺は、多しかに栞奈のことでは頭の回転は早いけど、他のことではからっきし。
このときの俺は、葵が何を言ってるのか分からない。
「てことで、よろしくお願いします!!」
「………あの、」
――ガラッ
「おーい、お前ら今日はこっちを頼みたいんだが」
タイミング悪く担任が入ってきた。
葵はなんだか嬉しそうで、担任のあとを今にでもスキップし始めそうな勢いでついていく。
なんなんだよーー!!
俺は頭を抱えながら、トボトボと後を追う。
この葵とのことを知ったのは、次の日のこと。
「お前、葵ちゃんと付き合い始めたんだって!?」
朝、珍しく雑用を免除になった俺は葵に会うことなく教室にはいった。
そんな俺を待ってましたかというように数人の男子が群がる。