キミ時間
教室の雰囲気も気づくと静まり返っている。
そんな状況にしたのは俺。
だけどさ、俺は栞奈が好きで。
だから有り得ないんだよ。
他の女と付き合うとか。
「俺は栞奈が好きなんだから、お前らの勝手で好きでもない女と付き合いたくない!!」
そう言った直ぐ後に、俺は前の扉から入る葵と目があった。
別にさ、誤解を生もうとした訳じゃなかった。
ガキな俺は、自分のことしか考えてなかった。
ここは教室だ。
いつ葵に聞かれてもおかしくない。
「大地…?」
「帰るわ」
責任は俺にある。
ちゃんと誤解を解けばよかった。
こんな風になるなんて思いもしなかった。