キミ時間


いくら否定しても、優衣里はなかなか信じてくれない。


いつの間にか、教室に人が集まってきた。



「セーフ!!」


前の方から急いできたのか、焦ったように栞奈がきた。


「おはよ。」


と、言うと


「おはよう」


と、返ってきた。


栞奈はいつものごとく、幼馴染みの三上くんに振り回されたらしい。


ブツブツと文句を言う栞奈。

だけど、それは愛情の裏返しなんだと思う。


三上くんのことを話す栞奈はどことなく楽しそうに見えるから。




あ、栞奈にもさっきのこと言わなきゃだ。


「あ、そういえばさ…」


彼氏とわかれようと思うんだけど。


と、言おうとした瞬間、担任が入ってきて会話は中断された。


まあいっか、またあとで言えば。







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