キミ時間
ドタドタと支度を終えた大地はしたに降りてきた。
「あ、それ、あたしの…」
飲みかけのココア。
言う前に、大地はあたしがお代わりしたココアを飲んだ。
「いいだろ、別に。」
悪びれる様子もない大地に呆れてため息も出ない。
あたしは残りのココアをとられまいと思い、一気に飲んだ。
あれ、おかしいな。
さっきはたしかに広がった甘いココアの味。
それは、今度はあたしの口広がることなく胃に流されていく。
大地のせいだ。
大地のせいで、ドキドキしすぎて味なんてわからない。
ただでさえ、見慣れない私服。
いつもは部屋着だから、なんだか調子が狂う。