キミ時間


「あ、あれってみっこたちじゃない?」


あたしが指を指した方向に仲よさそうに話している男女がいる。


「お前、目いいな」

「大地が悪いだけでしょ~」


目を凝らしても大地は見えないらしく、首をかしげた。

大地は普段こそ眼鏡はかけないけど、授業中はつねに眼鏡をかけている。


あたしは、ケラケラと笑いながら、二人に手をふった。



「みっこー、ケンー」



すると、二人はこちらに気づいて、駆け足で近づいてきた。


「かっんなー!!いやん、ちょう久々じゃん~」


相変わらずのテンションの高さ。

さすがみっこだ。


あたしもつられて、テンションが上がる。


「おっす、大地、栞奈」


子供っぽく笑うケン。

ケンも相変わらずだ。


なんだか、中学時代に戻った気分。


今日は楽しもう。



「よし、みんなそろつたしいこう!!」



あたしの声を合図に、四人は映画館へと向かった。








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