キミ時間


みっことケンは楽しそうにケラケラと笑っている。


あの二人に助けを求めるのは無理な話だ。


「かんな、大人しくしなさい」



パシッ!!


急にのびてきた手に、あたしは意図も簡単に捕まった。



「捕まえた…」


ギュッ、と握られたあたしの手。


あたしの心臓は、言うまでもなくバクバクと音をたてる。

このまま、捕まれた腕から伝わってしまうんじゃないかってくらいに。


「ほら、俺が隣にいるんだから、大人しく観ろよな」


まるで、子供に言い聞かせるように、あたしに笑いかける大地。


胸が締め付けられる。


コクン…、と頷き、あたしは大地に券を渡した。


「…ほら、行くぞ」


「え、」


あたしは、そのまま大地に連れられていく。


大地の手は、あたしの腕を離したかと思えば、手をつかんだ。


「……、お前は逃げるから連行な」


意地悪そうな笑みで、そう言うと、前を向いて、二人のもとに歩き出す。


たったそれだけなのに。

それだけのことが、あたしを狂わす。


ドキドキと脈打つ心臓。

早くおさまれ。


これ以上はもたないよ。


あたし、ドキドキしすぎて、死んじゃう。


握られた手を握り返すことなんてできないけど、あたしはそれだけで満足だった。


大地に触れてる、

ただ…それだけで。


今は………。







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