キミ時間
「へ~、こんなところに店なんてあったんだ…」
感心するように大地は、店を見る。
地元なのにあたしも知らなかった。
「こないだ美子と見つけたんだ~」
ねぇ、と仲よさそうに答えるみっこ。
本当に仲がいいんだから。
あたしは呆れて、笑った。
その時、
――ピピッ
誰かの携帯が音をたてた。
「あ、悪い…俺だ」
携帯の主は、大地。
誰からだろう。
携帯のディスプレイを見る大地の顔色が変わった。
眉をピクリと動かし、難しそうな顔をした後、ため息を漏らした。
――ピピッ
今度はメールではなく電話。
大地は少しだけ、あたしたちから距離をとり、電話に出た。
「ねぇねぇ、最近大地とどうよ?」
「どうって?」
コソコソ、とみっこが小さいこえであたしに問いかける。
「だから、付き合ってるのかどうかよ?」
「へ、誰と?」
「あんたが。」
「誰が?」
「大地と!」
つまり、みっこがいってることは。
あたしと大地が付き合ってるのか。
ってこと。
って、え、え、え、えー!!
「ないから!!あり得ないから」
あたしは全否定をした。