キミ時間


こうゆうことを言われるのは、珍しいことではない。中学の頃からあたしたちは毎日一緒にいるし、登下校も用事とかがない限りは二人でしてた。


一部では、そうゆう噂もあったぐらいだし。


「まだ付き合ってないんだ~」


まだ。って、中学の頃は大地のこと好きじゃなかったんだから。


「栞奈って、中学の頃から大地のこと好きなのに気づいてないんだもん!!」


「…………ん?」



今なんと?


「今はちゃんと自覚してるんでしょ?大地が好きって」


ニヤニヤと笑うみっこ。

その後ろでは、呆れたような困ったような顔で笑うケンがいる。


みっこにはなんも言わなくても、分かっちゃうんだな~。



「うん。大地がすきだよ…」



口に出すとなんとも照れ臭いな。


いつか、この気持ちを大地に言うときが来るのかな。



「言わないの?」


「…言えるわけないじゃん。」


あたしたちは幼馴染みだし。



それに、大地には…。



「あれ?栞奈ちゃん??」



その時、あたしを呼ぶ声がした。


今まさに、思い浮かべていた人物の声。







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