キミ時間
先輩は優しいから、迷惑とかは言わなさそう。
でも、あたしと先輩の繋がりって、元カレ。
だからかな、なんとなくその先に行くのって難しい。
付き合いたいとかじゃなくて、先輩後輩って関係よりも、ただのメル友。
こうして話すこともなかなか出来なくなってしまう。
そんな気がした。
「さて、そろそろ帰りますか」
「え!?」
もう帰るの?
あたしはとっさに、声をもらした。
先輩は一瞬、驚いたような顔をして、さっきまでと同様に、優しく微笑んだ。
「それとも、どこ通ってく?」
あぁ、あたしってなんて単純なんだろう。
さっき少し落ちかけた気持ちが一瞬にして元通りだ。
「行きたいです!!」
気づけばそう答えていた。
きっと、満面の笑みで。