キミ時間


目の前にいる先輩を盗み見ながら、あたしはミルクティ
飲んだ。

さっきとはまた違った甘さが口に広がる。


あたしが好きな飲み物。


「………」


そう言えば、なんで先輩はこの飲み物にしたんだろう。


オレンジジュースもミルクティもあたしの好きなもの。


「なんか、ついてる?」


チラッとあたしのほうを見た先輩と目があった。


不思議そうな顔をしながら見てくる。


あたしは恥ずかしさのあまり、

「いえ、別に…」


と、うつ向いた。




「変な咲久~」


クスクスと笑うのをこらえながら、またドーナツを食べ始める先輩。






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