キミ時間


「そう言えば、明後日、流星群が見れるらしいよ」

「え、そうなんですか!!」


あたしはその言葉に少し興奮した。


「ハハ、本当に咲久って星が好きだね」


笑われたことに恥ずかしくなり、俯いた。


「…そんなところも可愛いね」

「か、からかわないでください…」


顔が熱い。

耳まで赤い気がする。


あたしは体を冷やすために、残りのミルクティをいっきに飲んだ。


別になんとも思ってない。

だから、そんな風に言えるんだろう。

平然な先輩を見て、なんとも言えない感情が襲った。


“可愛いね”

たた、それだけの言葉が、あたしにはたまらなく嬉しい。


でも、先輩は違う。

後輩としての可愛さだろう。



「からかってないんだけどな~」


何て言った言葉は、あまりの小ささに、あたしの耳には届かなかった。








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