キミ時間
1限は体育。
しかも、隣のクラスと合同授業。
大地と一緒の授業だ。
「栞奈、行こう」
咲久に呼ばれて、あたしは館ばきをもって教室を出た。
大地と同じ授業は嬉しい。
でも、憂鬱でもある。
「あ、栞奈」
「大地…」
なんてバッドタイミング。
廊下でばったり会ってしまった大地。
あたしは、視線を後ろに移した。
また、一緒にいる。
「……栞奈ちゃん、おはよ」
「おはよ…葵ちゃん」
なんとも、不穏な空気が流れる。
「あ、栞奈ちゃん、早くしないと体育の準備できなくなるよ!?」
見かねた優衣里が助け船を出してくれた。
助かった…。
あたしたちは、少し足早に体育館に向かった。