キミ時間
センチメートル
―Yuiri ―
後悔とか自己嫌悪とか、いつだってしてる。
どうしてもっと上手くできないんだろうか。
なんで普通に話せないんだろう。
いつもそればっかり。
彼だけは、優衣と普通に話してくれてるのに。
あの一見以来、優衣と田中くんは全く会話をしていない。
日直の仕事も今日で最後なのに、謝るタイミングが見つからない。
田中くんとの距離、わずか30センチ。
それが遠く感じる。
「ゆっいり~、なんか元気なくない?」
「え、そんなことないよ…」
お昼をたべているとき、急に咲久ちゃんが言い出した。
「あたしも、そう思う」
それに続いて、栞奈ちゃんも言う。
二人には田中くんのことをまだ話していない。
こないだ彼氏とわかれたばかりの咲久ちゃんがいるから、なんとなく気を使っている。
優衣らしくないな…。
はぁ、と心の中でため息をはいた。
「そいえばさ、最近あんまし田中くんと話してないよね?」
その名前がでて、ドキッとした。
まさか、栞奈ちゃんからその名前が出るなんて。
二人に話してないことだから、何て言えばいいのかがわからない。
男の子が苦手なことは二人とも知ってるけど、田中くんとのことは話ずらい。
「もしかして、田中にコクられた??」
その言葉に食べていたパンを出しそうになった。
「なっ、ゴホッ…ゴホッ…」
「まぢで~!?」
なんでわかったんだろうか。
そんなこと一言も言ってないのに…。