キミ時間
「大丈夫、栞奈ちゃん?」
「うん…。」
こんなの慣れた。
あの二人が一緒にいるところなんて、珍しいことじゃない。
まだ、平気。
付き合ってないんだから、気にすることない。
はぁ、とため息をこぼした。
どんなに頭で言い聞かせても、心が言うことを聞かない。
あたしを見てよ………。
ただ指を加えて、二人を羨みながら、そんなことを思っている。
あたしもあの子になりたい。
大地の好きなあの子に…。
「栞奈はさ、告白しないの?」
「え、でででっ出来るわけないじゃん!!」
あたしたちは幼馴染みだ。
告白なんてすれば、今までの関係がなくなっちゃう。
だから、告白なんて絶対にしない。
大地に「スキ」なんて、言わない。