キミ時間



――ピーンポーン…


無機質な音が流れ、数秒後には「はーい」という、おばさんの高い声が聞こえた。


「あら、おはよう栞奈ちゃん」

「おはよう。」


いつも通りのおばさんになんとなく安心した。


「大地なら、もう起きてるわよ?」


「えっっ!!」


あの大地が?

一人で起きれないくせに??


あたしはおばさんの言葉に耳を疑った。

が、次の瞬間。


「今日は来ないかと思った。」


おばさんの後ろから、大地の声が聞こえた。

何度か目をこすったけど、そこにいるのは紛れもなく大地で。

あたしは驚きのあまり、口をあんぐりと開けていた。


「…てか、ちゃんと来るし。」


あたしが今まで来なかったときなんてあった?


そう言いたかったけど、止めた。

あたしは一度大きく息をはいてから言葉は発する。




「起きてるなら、行こうよ?」


大地はすぐに鞄を取りに行き、あたし達はいつも通りに学校へ向かう。








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