キミ時間
「すごかったね、流星群」
あの流星群を見た日。
終わったあと、あたしは泣きそうなのをこらえて先輩と駅までの道を歩いた。
まさか、先輩に好きな人がいるなんて。
そんなこと考えたこともなかった。
まだ先輩のこと好きだって自覚したばっかだったから。
「先輩、星好きなんですね?」
「あ~うん。」
ははっ、と少し照れたように笑う先輩。
「咲久も星、好きじゃん」
「星は見てると落ち着くんです」
昔から、一人になると夜は星を見る。
そしたら次第に星が好きになっていた。
「咲久のそういうところ、いいよな~」
「え…?」
ぼんやりと星を眺める先輩。
それ以上はなにも言えなかった。
好きな人のことも。
どうして、そんな相手がいるのに、あたしなんかといるのか。
――やっぱり、あたしが可哀想だから?