キミ時間
なんともハッキリしない人だな。
それに、あんまり話したことない彼に、あれこれ言われたくないし。
あたしは早く教室に行きたくて、少し苛立っていた。
「園田くん、それだけなら行くから」
彼の返事を聞く前に、あたしはまた彼に背を向けた。
その瞬間。
――ピピッ
メールを知らせるバイブが鞄の中で音をたてた。
また、雪先輩かな。
あたしは鞄から携帯を取り出すと、新着メールの文字を見てから、メールを開いた。
「待って…」
携帯を握りしめた手とは逆の手を捕まれた。
掴んだのは、園田くん。
少し強ばった顔で、あたしを見てくる。
「あのさ、」
あたしはキュッと捕まれた腕を見てから、開かれたメールを見た。
それと同時に。
「大橋さんが好きなんだけど!!」
【学校ついた笑】
あたしは、頭を金づちで叩かれた気がした。