キミ時間
「誘われたし、せっかくだから行こうかな~って」
前向きに考えると決意したのは優衣だし。
だから、少しでもかれをしって、男の子苦手なのを直したい。
でも、さすがに一人はきついからな。
「…いいよ、あたし暇だし」
そう言ったのは、栞奈ちゃん。
「あれ、栞奈は水曜日は大地くんと帰る日じゃないの?」
毎週水曜日、大地くんのご両親の帰りが遅くなるから、といって、栞奈ちゃんは大地くんの家にご飯を作りに行く。
だから、いつも水曜日は二人で帰る。
「いいの。
少し、大地と距離置かないと諦められないから。」
寂しげな表情を見せる栞奈ちゃん。
事情はあまり分からないけど、栞奈ちゃんが言いたくなるまでは聞かない。
咲久ちゃんも同じ。
二人が言えるまでは、そっとして起きたい。
だから。
「じゃあ、お願いします」
あたしはにっこりと笑った。