キミ時間
「あたしはバイトあるから、パスね」
パチン、とお弁当箱を閉じながら言う咲久ちゃん。
優衣たちのなかで唯一バイトをしている咲久ちゃんは、週の半分くらいはばいとりしている。
「うん、分かった…」
力強く笑って見せると、咲久ちゃんは少しだけ困ったように笑った。
こんな状況が良いわけないんだけど、優衣にはどうすることもできなかった。
なんて言葉をかければいいのか、そんなこともわからなかった。
優衣はいつも二人に助けられてるのに。
二人が困ってるときにはなにもできない。
どうすれば良いのかなんて、ない頭をフル回転させても出てこない。
どうしたもんかな…。
二人に元気になってほしい。
優衣にできることは?
そう問いかけてみても、答えなんて出るわけもなくて。
自分の無力さを痛感する。