キミ時間


「あ、あたしなんかより優衣里!

 最近さ、田中と良い感じじゃない?」


ニヤニヤと笑いながら、優衣里の話しにうつした。


「あ~、あははは」


なんとも曖昧な笑いかた。

無理はないか。


こないだの試合観戦のあとにあったことを思えば。


優衣里はどうするんだろうか。


「優衣のことより、咲久ちゃんだよ!!」

「たしかに。
 園田とどうなったの?」


その後の進展を聞いてなかった。


あたしと優衣里は咲久の言葉を待つ。


「…、別に。

 なにもないよ」


はぁ、と重いため息をはいた。


あたしたち、なんか同じところで立ち止まっている気がした。


どうすることもできなくて。

動けない。


恋をするって、迷いばかり。


って、あたしはもう止めたんだけど。








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