キミ時間
「ただいま~」
「おう、おかえり!」
「えぇっ!?なんでお兄ちゃんがいるの??」
家に帰ると去年から一人暮らしを始めたお兄ちゃんがいた。
あたしは首をかしげて聞いたけど、そんなことはスルーしてリビングから出ていった。
「お母さん、なんでおにい…って、なにこの量のご飯?」
目の前に広がるのは、いつもより豪華な料理たち。
今日は誰かの誕生日だっけ?
なんて思ったけど、そんな人はいなくて。
お母さんは慌ただしく料理を作っている。
「…母さん、連れてきたよ。」
ガチャ、と開いたドアの先にはお兄ちゃんがたっていた。
その後ろには、見かけない女の人。
誰?
「あ~、栞奈にはまだ話してなかったか。
俺、この人と結婚するから」
顎で彼女を指し、それだけ告げると席について行く。
「………」
結婚?
お兄ちゃんが!?
なんだか嘘みたいな話しに、あたしは驚きすぎて声も出なかった。