ESPERANZA

あれから、翔平も呼んだ。


「あのね....あたし、小さい時よく遊んでいた幼なじみがいて好きだったの....でも、急に海外に行っちゃって.....その時は悲しかったけど、だんだん忘れて、高校生になってからはもう本当に忘れられたと思ったの....」


あたし達は黙って聞いていた。


「でも.....翔平と別れた日、翔太が海外に行った幼なじみが帰って来てて.....そしたら、やっぱりまだ好きだったって分かって....グスっ....でも、そうだって分かったら、あたし....今まで、翔平にも琴美ちゃんにも最低なことをしてたんだって....うぅ....だから、本当にごめんなさい.....許してもらえないのは分かってるけど.....うぅ」


あたしは泣きながら謝ってる山下さんを見て、最低だとは思わなかった。


確かに、他人から見たら、悪いことかもしれない。


けど、あたしには山下さんが苦しんでたのが分かったから。
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