擬似彼氏屋、営業中
「はい、『契約終了』」
「え?マコトくん…?」
「ちょうど契約から一週間経った」
「どうしちゃったの…マコトくん」
何馬鹿なこと言ってんだよ。
どうもこうもこれが本当の俺だ。
「お前が望んだんだろう?
『優しくて照れ屋な彼氏』ってな」
金を受け取ったからそれを演じてただけだ。
なんて笑ったらあの女はその場で泣き崩れていた。
俺は桜とかいう女に背を向け、何事も無かったかのようにこの場を後にした。