擬似彼氏屋、営業中
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
おいおいおいおい、勘弁してくれよ。
さっきからずっとだんまりじゃねぇかよ。
だがこの空気を打破するのも俺の役割。
「明里ちゃんどこか行きたいとこある?」
「特に………」
会話終了。
「腹減ってない?俺奢るけど」
「いえ、減ってません……」
会話終了。
この女は一体何がしたいんだよ。
もっとこう口説かれたいとか、激しく抱かれたいだとか、そういうのじゃないのか。
「……マコトさん」
「ん、何?」
「行きたいところ、やっぱりありました!」
そうこなくっちゃな。