小説家橘夢子と5人のイタズラ王子
私の顔をマジマジと見て、司が笑う。





「夢子、トマトみたいだぞ。今顔拭いてやるからな。」





司が濡れタオルで顔を拭いてくれた。





鼻血は止まっている。





「司ごめんね。私は何もやっても駄目。」





「可愛い顔が台無しだな。痛いか?」





うん、と頷いた。





「バイトサボらせてごめんね。」





「気にするな、俺は又夢子一人占めに出来て嬉しいけど。あ、でこ腫れてる。」




うふ、なんとなく、司に触れてみたくなった。





司の肩に、頭をつけてみた。





「夢子、どうした?俺に惚れた?」





違うよ、バカ司。





たけどね、ちょっとだけ甘えさせて。





司が抱き締めてくれた。





お母さん、私どうしちゃったのかな?





暖かいよ。









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