小説家橘夢子と5人のイタズラ王子
愛する夢子へ




夢子にはいつも淋しい思いばかりさせてしまいましたね。



橘の家を出る時、夢子を連れて行きたかった。



でも許して貰えなかった。


あなたの父親には他に好きな人がいて、私は橘家には相応しくない人間だと言われ、私は我慢が出来なかった。



まだ若かった私は自分の幸せを求めて橘の家を出ました。



でも、夢子を残して来た事は間違いでした。



夢子、許して下さい。



夢子を育てる事が出来なかった私は、親に恵まれない子供たちと暮らす事を決めました。



私の命はもう長くないです。



勝手なお願いですが、この5人の子を夢子に託します。



必ずこの子たちが夢子を幸せにしてくれるはずです。


勝手なお願いをどうか受け入れて下さい。



みんなとってもいい子です。



夢子、お願いします。






愛子。









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