小説家橘夢子と5人のイタズラ王子
「何か面白い事になりそうだな、司。なんなら司が龍聖に戻ってくれてもいいけど。」





司が聖夜を殴ろうとするのを、私は止めた。





「司、この男は殴る価値もない男、止めなさい!」





これは多分お母さんが、ここにいたら言うじゃないかと思った。





まさか私に、お母さんが乗り移った。





「司駄目でしょ!ここはあなたがいる場所なんかじゃない。暴力なんかで何も解決はしない。」





「…………………………」





勝手に私の口が動く。





「又その手で殴るの司?司は強い男の子。その手は殴る為にあるんじゃない。弱い子をその手で守るのよ!」





司が私を見た。





「もしかして、愛子ママ?」




お母さんが、今ここにいる。





確かに感じた、お母さんの存在。





司の目から涙が溢れた。









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