小説家橘夢子と5人のイタズラ王子
待合室に戻ると。


「司兄、夢子姫が家に行こうって言ってくれたよ。」


え、嘘、そんな事言ってないけど。



「司兄、夢子ママじゃなくて夢子姫って呼ばなきゃ駄目だからね。」


司兄が私を見つめた。


赤いジャージにお団子頭、ダサい黒ブチ眼鏡。



姫ってがらじゃないわよ。


その時、もう一人の男の子がマジマジ私を見た。


「姫ってがらじゃないけど、夢子って名前も微妙だし、我慢すれば夢子姫って呼べるかもな。」



なんなのよ、その態度。


「夢子姫ごめんね。亮兄は口が悪いだけで中身はないから。」


「郁也それって何気に俺の悪口だろ。」



ぽかん、とするいっくんに笑えた。



「夢子さん、お腹空いたしみんなで食事して帰りましょう。後スーパーで買い物しないと、冷蔵庫に何もないですよ。」


なんか、私、流されてない。


絶対、流されてます。












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