私の14日間

 いざ、言おうとしても、何をどう口にしていいかわからなかった。

 その時だった。

 ガチャと玄関のドアノブが、音を立てて回った。

 そして、それと同時に「ただいま」と、低い男の声がした。

「あ、おかえり〜。今日早かったんだ。ご飯いる?」

「いや、いらないよ。・・・えーっと、誰?」

 写真で見た男が、私を見た。
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