ONE FOR ALL ALL FOR ONE
「龍は高校どうすんの?」

「はッ!?」

全く考えていなかった。

確かに九州の強豪校から
いくつか声がかかったが
何気に少し勉強にも
自信があったので
あまり気が進まない。

「ん~ 
まだ全然決めてないな」

「それじゃあ一緒に
城北高校に行かない??
和真もそう言ってるし!」

「え!?」

城北というのは
県立の進学校で
成績もかなり良いが
スポーツも盛んな
学校である。

しかしラグビー部は
あるのかないのかよく
わからないような部活で
部員も少なく、
例年一回戦負けの
チームだった。

「なんで城北なんだ??」

俺が大声でそう聞くと、
和真と晃己も
こっちへよって来た。

「城北がどうしたんだ?」
晃己は不思議そうな
顔をしている。

しかし
そんな晃己はスルーだ。

「和真、おまえ城北行く
って本気かよ!?」

「あぁ。
龍にも帰りに言おうと
思ってたんだけどな」

まだ晃己は
話がつかめないような
顔をしている。

「なんでだよ!?」

俺は少し
キレ気味で聞いた。
しかし次の和真の言葉で
俺の運命は決まった。

「俺たちで城北を花園に
連れて行くんだよ!!」

その時の和真の顔が
すげぇマジだった。
こいつが
こんなことを言うなんて
思ってなかった。

そしてその顔を見て
俺は決めたんだ。

「……そしたら俺も
城北を強くしてやるよ!」

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