ONE FOR ALL ALL FOR ONE
とりあえず俺は
その場にいた親に話すと
とても喜んでくれて、
通っている塾にも
事情を説明した。

もう後には
引けなくなった。

そして志望校を
城北にしてからの
初めてのテストが
次の週にあるので、
とりあえず
必死に勉強した。


しかし……


「でぃ、D判定かよ・・」

現実は厳しかった。
今までラグビーと勉強を
両立していた
つもりだったが、
やはり他の部活動生より
遅くに受験勉強を
本格的に始めた俺が
いきなり良い判定を
もらおうと
思ったのが甘かった。

まぁせいぜいC判定は
もらえるだろうと
思っていたんだけど……

さらに
追い討ちをかけたのは
塾もいっしょの和真だ。

「和真は何判定??」

「A」

・・・!?

「え、え、A判定!?」

「まぁな。龍は??」

そんな質問答えられる
わけがなかった。

俺はその後うまい具合に
その場をやり過ごした。

俺はその後も
必死に勉強した。
しかしC判定には
なるのだがそれ以上には
なかなかならない。
しかし依然として和真は
A判定をキープしている。
ちなみに晃己もA判定、
綾輔はB判定が多かった。

そんなのが
2ヶ月くらい続いた。
そして2ヶ月
努力してついに……

「やった!Bになった!!」

「マジ!?
 やったじゃん!!」

和真は2ヶ月間、
俺のことを
自分のことのよりも
気にかけてくれていた。
(まぁ自分はずっと
A判定だから気にする
までもないんだけど…)

そしてこんな
わずかなことにも
自分のことのように
喜んでくれた。

やっぱり
こんな友達がいてくれて
本当によかった。

そして俺はうれしい
気持ちのまま
三者面談に向かった。
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