ONE FOR ALL ALL FOR ONE
その後も俺の
猛勉強はつづいた。
俺のほかの3人も私立は
西高を受けるらしい。

そしてついに西高の
入試の日となった。
やはりラグビーの
名門とあって、
見たことある顔が
並んでいた。

しかし、
九州選抜のやつらは
ほとんど特待で決まって
しまっていて、
一般入試の中には
いなかった。

だけど俺ら4人の他に
一人だけ九州選抜の
ヤツがいたんだ。

九州大会の決勝で
戦ったチームの
巨漢のプロップ、
大川淳(おおかわじゅん)
だ。

182センチ94キロという
中学生離れした体格を
生かした突破力は、
俺らのチームも
相当苦しめられた。

「よぉ、松下!!
なんでおまえ一般なんだ?

おまえなら特待で
決まってると
思ってたのに」

その言葉、
そっくりそのまま
おまえに返してーよ!!
そんなことを思った。

「いや、俺は第一志望
城北なんだ!

おまえこそなんで
ここにいるんだよ??」

そういうと大川は

「マジ!?
俺も城北志望なんだ!
一緒に城北行こうぜ!!」

と言ったんだ。

俺は本当に
うれしかった。

本当にみんなが
城北に受かったら
どんなチームが
できるのか
とても楽しみだった。

「おう!!
一緒に城北
強くしよーな!!」

こう言って
大川とは別れた。

今から城北に行くのが
待ち通しかった。

数日後、
当然みんなに
合格通知が届いた。
でもみんなは
A特体だったのに、
俺だけB特待だったのは
ここだけの秘密だ。
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