精霊達の棲家
浮力が消えると当然のことながら重力が働く、身体の容積分が負荷されるが、常態化されているため健常者なら無意識の内瞬時に反応する。
だがこの身体は・脳は、瞬時の反応が出来ず神経伝達系がパニックに陥るらしい。
暫し四股を踏む格好でその場に佇んだ、この姿が身体を維持するのに最も相応しいからである。
監視員が「大丈夫ですか?」と、近付いてきた。
事情を話すと、怪訝そうな面持ちで頷いたが、暫らく注視していた。

5月15日 朝9時前犬の散歩中、団地内公園脇の階段で後ろ向きに転倒した。
高さは約2m程度、階段の角に頭の左側頭部をぶつけ約3cm裂創・出血した。
膝・肘・手・腹部にかなりの擦過傷があり、後ろに倒れた際無意識に反応したらしい。
右に身体をくの字に捻り、先ず横腹で階段の角の衝撃を受け、そのままズリ落ち最下段の階段で側頭部をぶつけた様である。
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