精霊達の棲家
意識が戻ったのはその時かもしれない。
目を開けると、視界には心配げな面持ちの数人の顔。その内の一人が
「頭を強くぶつけているようだから動かしては駄目!! 」「すぐ救急車を! 」
と歯切れの良い口調で指示していた。そして
「大丈夫ですか、何処が痛いですか?」
「頭を強くぶつけたようですから、動かないで!」
「救急車を呼びましたから、すぐ来ますからね!」
矢継ぎ早に語り掛けてくれ、取り敢えず安堵感に包まれたが、一方で気恥ずかしい思いに駆られた。
救急車で君津中央病院に運ばれ、MRI,CT検査実施。
外傷出血が幸いしたのだろうか、傷も思いの外浅かった。
女房同席の問診を含めて、特に異常なしとの診断、昼過ぎには帰宅した。

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