精霊達の棲家
余りの難行苦行、身体の自由も奪われ、やがて疲れ果てその場に蹲ってしまった。
何時しか周辺の霧が消え靄の中に小さな空間が展け、そのほぼ中央に道祖神が現れた。
穢土(現世)と浄土(来世)の分岐点 即ち‘生命’存亡の原点である。
生命のベクトルは娑婆(現世)を指し示していた。
‘訳あり’で此岸へ引き返したその日は、私の人生の最も短い時間軸の中で、命の深淵を覗き見た最も長く息苦しい“その時”でもあった。

午後2時半 気温19℃ ログハウス内は2~3℃低い、 湿度55% 天候曇り ほぼ快適に属する日和である。
遅い昼食後ハウス内でしばし寛いでいたが、何故か蒸し暑く感ぜられた。
薄っすらと汗が滲み不快感さえ感ずる程であった。

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