アジュとウリ
アジュとウリ
「ねえねえ。ぼくらいつから一緒にいるんだっけ?」
ふと、一羽の鳥が尋ねた。
「ずっと、ずーっと昔からだよ」
もう一羽の鳥が答える。
「じゃあこれからも一緒?」
「ずーと、ずーっと一緒だよ」
「ねえ、ウリ約束だよ――――……」
2羽は翼を繋いだ。離ればなれにならないように、強く強く。
双子の鳥が木に止まり雨宿りをしている。
兄の名はアジュ、弟の名はウリ。2羽の兄弟は生まれてすぐ、親に巣から落とされてしまった。
理由は、2羽の翼が片翼しかないから。そんな彼らを救ったのはツバメのリーナ。
夏の間2羽を大事に大事に育ててくれた。
「いいかい?よくお聞き。私は暖かい場所でしか生きていられないんだよ。だからこれからは2羽助け合って生きていきな。わかったね?」
夏が終わり今は秋。もうすぐ冬になる。ツバメは寒くては生きていけれない。リーナは泣く泣く南を目指して旅にでた。
残された2羽は、リーナの言葉を守って雪の降る日も嵐の日も助け合って生きてきた。
「アジュなんか嫌いだ!」
「意味わかんない! ウリなんかもう知らない」
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