先生観察日記

職員室のドアをノックして、緊張しつつも思い切って開ける。


「失礼しま〜す」


松本先生の席は職員室の端っこ。

他の先生方の机の間を通り抜けて目的地を目指す。


……性格が表れるよね〜、先生の机ってさ。

机の上にほとんどモノがない先生もいれば、平らな面が全くなくなって、今にもプリントや本が落盤しそうな危険な机の先生もいる。


落石注意ならぬ、落本注意の机を横目に、松本先生の席へ。

いたいた。

あ、珍しくジャージ着てる!

今日は本当なら休みのはずだから、授業もないしラフな格好なのかも。


「先生、お呼びですか?」


こっちを向いた。

そういえば、1週間ぶりに会うんだっけ。

あんまり疲れてはなさそうだけど、日焼けしてる~。

私の顔を見た先生は、にっこり笑って赤ペンを机に置いた。


「呼んだ呼んだ。こんな時こそ『おかえりなさいませご主人さま』って言って欲しいな〜。

そうしたら疲れもふっとぶんだけどさ〜」



……。

先生、相当疲れてるんだろうか。



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