先生観察日記

「じゃあ、この講習の時間にネタ帳書かせてもらえるなら、仕方がないから出席するよ」


先生はあきれたような顔をして私をじっと見た。


「安西、まだネタ帳持ち歩いてんのか!?」


「当たり前です!

書き込む時間はなくても、ネタは日ごろから集めておかなくちゃね」


「わかった。担任にバレないようにしとけよ。

担任の幻想を壊すような真似はするな。

その代わり、国語でも英語でも、わからなかったら俺に聞け。

多分、俺のほうがちゃんと教えられるから」


「はい!」


なんだかんだ言って、先生は面倒見が良くて、義理人情に厚い。

先生の期待に応えるために、私はまた勉強頑張ろうって気になれるんだ。

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