先生観察日記
「お!ここなんて憧れるなぁ。
やんごとなき血筋の方々が通われる大学だぞ。
多分、古典の資料も豊富だろうな〜。
ここもいいよな、島崎藤村の母校か。
キャンパスの場所でいけばシロガネーゼになれるぞ。
……でも、俺ならここを選ぶかな?
京の都に住めて、龍安寺が目の前!
毎日、観光名所観ながら通学できるし、古典好きにはたまらない場所だよな。
ここ、面倒見のいい大学だから、就職支援もバッチリだぞ。
しかも、受験はこっちで受けられる」
京都の大学!?
たたみかけられるように言われた魅力的な言葉。
でも、そういう選択肢、なかったもん。
うちのお父さんとお母さんを説得するのは、大変だよ。
私は黙って、データ本を閉じた。