先生観察日記
先生は女子高生を『守備範囲外』だと常々言っている。
信用失墜行為を何よりも嫌悪しているし。
私よりずっと可愛い子から迫られても、軽くかわしていたことがあった。
私なんて到底無理。
だからせめて、オス犬の扱いでもいいから「よしよし」して欲しくて。
それには、今は勉強を頑張るしかなかった。
以前、あんなに頑張って何度も新しい先生×生徒の小説を書いたのも、先生に読んでもらって、感想を聞きたかったから。
ツッコまれることを知りながら、自分なりの知恵と勇気を振り絞って、毎月新作を書いたのは……。
ケータイ小説を通じて、先生と繋がっていたかったからだって、今更気づいた。
先生は前に冗談で
「俺の事を好きになれ。そうすれば成績が上がる」って言ってたっけ。
その通りだったよ。
政経なんて、偏差値42からスタートしたのに、今やなんと60だもん。
先生の事を好きになるにつれて、私の偏差値もうなぎ登りだったんだね、今にして思うと。