先生観察日記

いつもの社会科準備室で、勉強を聞いている時。

先生にそれとな〜くクリスマスの予定も聞いたら


「イブは普通に仕事だな。

クリスマスは毎年忘年会。

終業式のあとだからな」


という、微妙なお返事だった。

とりあえず、まだ彼女はいないらしい!


「ああ、でも、クリスマスプレゼントは用意しなきゃなんないな〜。

何がいいかな〜。後で楽天でも見とくか」


あ、あれ?

もしかしたら遠距離の彼女とか!?


「先生、それって大事な人に贈るプレゼント?」


おそるおそる聞いてみた。


「ん?

そりゃあもう、大事大事!

これがまた、俺のどストライクゾーンなんだ」


え?


動揺を隠すように、指先でペンを回す。


「どうせ女子高生の私は守備範囲外ですよ〜だ!」


ふざけて話したけど、得体の知れない感情に、自分が一番驚いた。

心の奥が冷たくて、重たくて、痛い。

先生の顔を直視できない。



大事な大事なストライクゾーンの人って……?

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