先生観察日記
「うふふ。どういたしまして。
バレンタインは何が欲しい?」
調子に乗って、バレンタインのプレゼントまで考えておこうかなって思った私。
その頃なら、受験も終わってるし、今よりはもっと時間だって自由に使えるはず。
「何でもいいのか?」
「え? あの〜、私のお小遣いで買える程度のものなら……」
「小遣いは一切使わせない。
でも、俺にとって、一番嬉しいものだな。
お前からしか、それはもらえない。
もしそれがもらえたらもう、俺は最高に幸せになれる」
何? 何だか抽象的すぎて全然わかんないよ……。
お小遣いを使わないんだから、チョコとかじゃないよね?
手作りの何か、だろうか?
いや、あれもお金がかかるから、条件には当てはまらない。
私だけしかあげられないもの?
それをあげたら、先生が最高に幸せになるもの?
一生懸命考える私を見て、先生が頬杖をついてにっこり笑っている。