先生観察日記
先生は話を続けた。
「お金は大丈夫だという結論が出たところで」
優しく私に笑いかけてくれた。
良かったな、そう言ってる笑顔だった。
「なぜF女子よりR大学を選ぶか、という点ですね。
菫さん自身も話していたとは思いますが、やはり環境が違います。
平安時代の女流文学を学びたいという希望を持っているそうです。
その土地で学ぶことができれば、資料も思いのままに集められます。
同じような志を持った仲間同士、きっと今まで以上に勉強に励むことでしょう。
英語を勉強するなら、英語圏の国へ行くのが一番ですが、それと同じだと思います」
先生の隣で、うんうんと首を縦に振る私。
説得力のある話に、私の方が納得させられちゃいそうな感じ。
さすがですよ……。
毒舌なだけじゃなかったのね。