先生観察日記
「しかし菫!
男なんてもんはわからん!」
私とお父さんが言い争っていた、その時。
またしてもお姉ちゃんからの援護射撃。
「そうだよね、お父さん。
男なんてわからないっていうの、お父さんが一番よくわかってるはずだもんね」
あれ、お姉ちゃん、お父さんの見方になったの?
不敵な笑みを浮かべ、にやりと私の方を向いたお姉ちゃん。
こ、怖い。
お姉ちゃんは敵に回すと、とことん怖い。
「戸籍抄本を見たときに気づいたんだけどね。
お父さんとお母さんって、実はでき婚だったんだね」
……でき婚って、いわゆるできちゃった婚ですか!?
ええええぇ〜!?
知らなかった。
でも確かに、お姉ちゃんが産まれた時はお母さん、まだ二十歳だったはず。
「お父さんも若かりし頃、色々あったんじゃない?
ね、お母さん?」
お父さんとお母さん、固まってますが……。
何も知らなかった17歳の娘と、その学校の先生の前でこんな爆弾発言されたら、そりゃあ貝にも石にもなりたいよね……。