先生観察日記
こ、こんなにすぐ先生とラブラブになっちゃう展開なんて、小説の中だけだと思ってたよ!
っていうか、私、松本先生の事まだよく知らないし!
意味深な笑いを浮かべて見つめられちゃったら、ますますドキドキしてくるよ。
頭の中がぐるぐるしてる私は、きっと挙動不審だ。
でも、こんな時に気の利いた会話なんてできません!
そんな私を眺めて、ますます面白そうに笑ってる先生をチラ見したら……。
ん?
面白そう!?
「ふーん、ま、いいけどさ。小説の小ネタにしようとか思ってるだろう?」
……そういう考えでしたか。
「あ、このネタいいですね」
そうお返事するしかないじゃないの。ああ、勘違い。
「まあ、ネタ探しもほどほどにしとけよ。じゃないと、来年は予備校の講師との恋愛ネタを探すことになるぞ」
「何ですか、それ」
「授業中ぐらい真面目に勉強しとかないと浪人するって事だろうが!」
「……はい」
早速痛いところを突かれた。
やっぱり、現実の先生は全く甘い雰囲気なんてなかった。
甘いのは私の考えって事ね……。