先生観察日記
次の日。
朝、目覚めてリビングへ降りて行ったら、お弁当が二つ並んでいた。
「今日から学校へ行くんでしょ?
菫と先生の分作ったから、持って行きなさい」
お母さんが牛乳を注ぎながら声をかけてくれた。
「ありがとう、お母さん!」
「お父さんとお母さん、完敗だった。
菫が頑張ってるのは知ってたけど、まさかここまでできる子だとは思わなかったの。
わが子の可能性を伸ばしてあげられない親なんて、最低よね。
お父さんとお母さんも頑張って仕送りするから、菫は合格できるようにしっかり勉強してらっしゃい。」
「……お母さん……」
朝から涙腺が弛んでるんですけど。
何か、年が明けてから泣いてばっかりだよ、私。
「食べながら勉強できるように、手づかみできるものばかりにしておいたから。
それから!
受験が終わったら、お母さんと一緒にお料理の特訓よ!」
「……うん」